Kazha Imura photos and graphs

Kazha Imura photos and graphs

THE NOVEL GENEALOGY

2002年 寿限無 -cloning- (ART BY XEROX主催/小山登美夫ギャラリー, 東京)出展作品
Exhibited on Jugemu -cloning- (sponsored by ART BY XEROX/Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2002)

「自分の子どもは自分にとって絶対にかわいい存在である」ということが本当ならばと、完全なる自己愛の成就のため、自分ひとりでの生殖を考えました。
社会性、感情、個々の人生観など、人間の生殖に影響を与える要素は余りに多く大きい。それらは多種多様で気まぐれで、到底理解することも処理することも自分自身のことですら可能とは思えません。
他人との恋愛にも結婚にも子どもをつくることに関しても、人間の感情や行動に完全や合理性を求めることは容易ではありません。不可能とさえ言えるかも知れません。しかし完全を希求した私のコピー、子コピー、孫コピー、曾孫コピー、玄孫コピー、その子コピー、そのまた孫コピー・・・と、もう人間の型(カタチ)をしてはいませんでした。
高等な技術を以って、この手で創造し得る完全。愛に値する対象としての既存の完全。どちらも存在し得ないのだと、若し、ふと思ったならば、テクノロジーは憎むべきものですか。恋は忌むべきものですか。

素材:紙にレーザーコピー、MDプレイヤー、ヘッドフォン、スピーカー
maerials: laser copy on paper, MD player, headphone, stereo speaker

B5サイズの紙に2枚の肖像写真(作者自身のポートレイト)をコピーし、それを原稿にまたコピーし、そのコピーを原稿にまたコピーし・・・と、順々に複製したものを、初めのコピーから順に重ねていく。
そのときのコピー機の音を録音し、ステレオスピーカーから流す。
作者(元の肖像写真の人物)の声をヘッドフォンから流す。